『サウンド・バイツ』

FRANZ FERDINANDってTHE HIVESみたいだなー。

というのが今日の発見。いやーこの2バンドがつながるなんて!
どちらにもある、徹底した「楽しませてやるぜ」っぷりが好きです。

いやーあほだわ(誉めています!)、
とほれぼれしながら観てしまった「DO YOU WANT TO」のクリップ。

http://jp.youtube.com/watch?v=uxNVYj5ifls
革ジャンとボーダーがさらにハイブスっぽい、わけではないですが。


で、なんで今さらこのタイミングでフランツかと言いますと、
このとこ、こちらのバンドのボーカル、アレックス・カプラノス氏が
ガーディアン紙に書いてたコラムをまとめたという『サウンド・バイツ』を読んでまして、
それでふとクリップとか探したら、わーやっぱりキザであほだなーと。

このひとたちの音源は「TELL HER TONIGHT」のドイツ語バージョンしか持ってない、
というわたしがいうのは何ですが、いやーなんというかエンターテイメントだなあと。


あとがきに、「真昼のフジロックグリーンステージを満員にしたという伝説を打ち立てた」
というようなことが書いてあり、いやー言い過ぎだろうと思いつつも、
ある意味伝説でしたそうでした、と思い出しました。
運良くその場に居合わせたのですが、
満員だった、というよりは、どんどん人がなだれこんだ、という感じで、
後ろでぼんやり座って観てた人たちも、はしゃがないと損じゃん!みたいに、
だーっと丘を駆け下りてた。わたし自身も、曲はあんまり知らんけど、
その飽きれるくらいのステージでの優男さ加減はやっぱりほんとだったんだー!
と大笑いしながらはしゃぎました。
(そいでもって本気で「かっこいいー!!!」と叫んでいる女の子たちに向かって
「えー!おもしろいー!!じゃないのか!」とか失礼なことを叫んでみたりした。)

で、ライブの映像も観てみたら、わははこんなんだった!やっぱり優男!
アレックスの声がもうだめなんです、笑えてくる。

で、散々書いてますが、嫌いじゃないんです、存在は。
曲も好きなんですけど、本気では聴けないというか、常におかしいというか、
なんか、好きなんですけど、なんともいえなくて。
なんというか、賢いひとたちのおふざけ、という感じがするあたりが、
微妙なすれすれ感があるんです。

で、本の方です。

サウンド・バイツ フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー
アレックス・カプラノス著 実川元子訳
白水社 1800円 (2008年)
sound bites - Eating on Tour with Franz Ferdinand
Alex Kapranos, 2006

世界中を回ったツアーで出会った食べものと人々についてのコラムで、
おもしろくないはずはない題材なのですが、これがすごくよい。
ばーっと一気に読んでしまったんだけども、なんだかまた読みたくて、
開いては読みしてます。

曲とか聴くときの彼らの微妙なすれすれ感は、居心地が悪い感じもするんだけども、
文章ではすっきりと収まるところに収まっていて、とても気持ちがよい。
皮肉っぽくてでも感動屋さんでそして食べものに対しての好奇心が旺盛な彼が、
いろいろユーモアと持ち前のエンターテイメントっぷりを発揮しながらも、
赤裸裸に、そして素直に綴っているのが、熱くはないんだけど心打たれました。
食べものってやっぱり直に来る感覚だからかもしれないけど、
でもセレブになった彼のグルメ記とかおすすめ紹介ではないのがよいではないですか。
もちろん高級レストランでのエピソードもあるけれども、
別にそれはどうでもよいというか、高級とかそういうことが
彼のこころを捉えているわけではない、というのがにじみ出ている文章がよいです。
食だけじゃなくていろんなことにオープンなんだろなーと思った。

で、文章読んだら、音も違って聴こえて来るかと思いきや、、きませんでした。

サポートメンバーが描いているというイラストも絶妙で、
だいたい表紙からしてすてきです。
こんな本の翻訳を出してくれたのが白水社というのもすてきです。

サウンド・バイツ―フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー

サウンド・バイツ―フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー


自分用メモ:楽しめます、いまさら。


これさー、最後にいきなりドイツ語のフレーズでいきない叫び出すあたり、
いきなり英語のフレーズの入る日本の歌っぽい俗っぽさが。
これって英国的にはありなんかしら、と不思議に思う。